不死鳥話
今日は,今年の東京マラソンで3時間17分の自己ベストを出した私の友人のお話をしたいと思います。
その友人,かつてはサブ4を目標に何年も苦しんだランナーでした。
スタート直後は調子良いのですが,後半スタミナ切れを起こして大ブレーキ。
そんなレースを繰り返していたのでした。
仕事はいつも一生懸命。すべての時間を惜しみなく仕事につぎ込んでいました。
近年、そんな彼を夢中にさせたのが“マラソン”。
あちこちにたくさん仲間ができ,2年ほど前にサブ4をクリアし,さらなる向上を目指して走り込んでいました。
昨年の春、そんな彼に突然病魔が襲いかかりました。
“拡張型心筋症”ってご存知ですか?
十万人にひとりの難病で,5年生存率が計算されるような疾患です。治療法だって心臓移植しかありません。
もちろん心臓に負担がかかるマラソンなんて続けられるわけがない。
エントリーしていたマラソン大会はすべてキャンセル。
折角夢中になれたランニングなのに,少しでも長く生きるためにランニングは控えるべき。だけど、ランナーです。急には走ることを止められないから,差し障りのないよう超低速ジョグ。
昨年のつくばマラソンでタイムカプセルに10年後の自分に手紙を送るイベントがありました。
彼は“10年後も生きていて,そのころは思いっきり走っていますように”なんて残していました。涙が滲みました。
どうして奴に試練を与えるのか神様をうらみました。
その後、スポーツに詳しい循環器専門医で詳しい検査を何度も繰り返し、一時悪かった心機能の回復が認められるようになりました。
拡張型心筋症は悪化するばかりのはずなので、結局、最初の診断が間違っていたのだろうということです。振りまわされてしまいましたね。
そして、その後のマラソン大会のタイムの伸びといったら、もうびっくり。
超低速ジョグしかトレーニングしてなかったのに、なぜか越えられなかった壁を次々にクリアしていきます。
最近では、フルでは3時間20分を、ハーフでは90分を切り、もうすっかり快速ランナーの仲間入りです。
まさにフェニックス!!
そんな彼が来月のフライデーナイトリレーマラソンで一緒に走ります。私が紹介したtravel dのKazuyukiさんです。暖かく迎えてあげてくださいね!