明日やろうは馬鹿やろう

にこまる

性別
年齢51歳
身長163.0cm

2013年10月何となく走り始めてから、いつの間にか生活の一部になりました。ロードとトレイル、両方を楽しんでいます。最近は「旅するように走りたい」のでウルトラ系が楽しいですが、フルももうちょい高みを追いかけたいです(^.^)
普段は多摩川、鶴見川、中原街道、山は丹沢で走っています。(2018/5/15)

今後の予定

自己ベスト

ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 168km

初めての100マイルレース、UTMFに初参戦!
総距離168km 累積標高8000m 制限時間46時間。
42時間49分42秒 全体651位 女子全体85位 50代女子12位
スタートからゴールまで、めいっぱい楽しみながらずっと笑顔で走りきれて、あっという間の3日間。睡魔にも胃の不調にも襲われることなく、天候にも恵まれたことも幸いし、課題はたくさんあるけど、今の環境で、今のトレーニング量で、今の努力では、十分な結果(目標時間40時間は果たせなかったけど)(^.^)
以下、とりとめのない忘備録。お時間ある方だけどうぞ。

【準備編】
〇練習
別大を回避するほど昨年秋口から良くなかった体調だったが、年明けくらいから少しずつ上向き傾向に。体調の日替わりは相変わらずだが、週末にセット練&週半ばに1回の練習、それ以外は走らず休みとするリズムができてきた。なので練習と休みのメリハリをつけて、セット練をしっかりこなせることを大事にした。ロングトレイルや峠走、ロング走はもちろん、100マイルの走り方をシュミレーションした(荷物背負って、心拍上げない、脚に負担かけない)練習はとても実践的でよかった。
もっと強度の高い練習もしたかったが、現状の体力・走力・時間では無理だった。一つひとつの練習をキチンとこなせたことで、レースに向かうことに納得するしかなかった。

〇レースに向けて
100マイルという未知なる長い距離を走りきるために必要なことは、体力的な面はもちろんのこと、それ以上に強い気持ちがとても大切。脚の痛み、疲労、睡魔、胃腸トラブルなどなど、そういった中でもいかに自分のメンタルを良い状態に保てるかを考えた。

まず、そうしたトラブルが起こらないようにできるだけ準備すること。
そして、そういうトラブルが起こってしまった時、それは自分ではどうしようもないことだけど、唯一気持ちだけは、自分でどうにかできる。自分自身でコントロールできる。とにかく「楽しもう!」という気持ちは忘れないようにいこう!と思っていたところ、激坂のエディさんがとてもいい言葉を授けてくださった。
「勝ち負けや他人との比較を大事にするなら、いい時間と悪い時間がある。
楽しむことを大事にするなら、いい時間だけがある。
楽しむ勇気を!いい時間を過ごしてください」
うんうん、これだよー!!!
それと、ポジティブマインド。「自分が笑顔でいたら、周りも笑顔になってくれて、それがその場の雰囲気もよくしてくれる。そしてそんな明るい気持ちのまま、また次へ走り出せる!」いつもトレイルレースでは心がけていることだけど、今回は殊更に誘導のボラの人には、どんな時も大きな声で挨拶していこうと決めた。
試走は敢えてするのを止めた。むしろ「旅」として楽しもうと決めたら、100マイルはそんなに恐くなくなった。その方が自分の性格的には合っていて、きっと飽きることなくワクワクしながら走れるだろうと考えた。

〇レースマネジメント
各エイド間の補給プランを立て(ジェルは基本1時間に1個、山区間は45分に1個、ベスパは3時間に1個、山区間は2時間に1個)、エイド間ごとに袋にまとめ、サポートに渡してもらうようにした。
水分は、麦茶。ジェルが甘いので、同じような味のスポドリは回避。
固形物はエイドでお腹が落ち着くくらいの量にとどめる。
エイドではできるだけ温かいモノを摂る。
コーラは酸が胃を荒らすこともあるので摂らない。
エイドを出るときにお腹にたまるVESPAのリンゴ味のジェル持参。これがいい気分転換になった(のちに中村さんが気づいてオレンジジュースを持たせてくれた(^.^))
脚を残すため、下りのトレイルはこれまでのレースのような走り方はせずほとんど早歩き。抜かされても焦らない。その代わり登りを淡々と頑張る。A7山中湖きららまでは気持ちも脚も余裕を残すくらいにしておく。
過去痛くなったところは予めニューハレで予防。
カフェインは2日前から、アルコールは1週間前から断った。
カーボは前日から、炭水化物どかっとではなく、普通の食事+10時&3時に果物を摂取など、VESPA斉藤さんのセミナーで聞いたことをかなり実践した。。。結果、胃腸トラブルもなく体調の大崩れもなくとてもよかった(^.^)

〇サポート
レース1ヶ月くらい前に、中村さんがサポートをしてくれることに。遠慮なくご厚意に甘えることにしたら、かなり気がラクになった。
実際、レース中では細々したことまで気配りのサポートをしてくださり、些細なことのストレスから解放され(積み重なるとかなりのストレスになるはず)レースに集中することができた。メンタル的には次のエイドで待っててくれると思ったら、そこまで頑張ろう的な支えにもなったし、心配させないように笑顔で戻ろうという気持ちがさらに強くなった。
特に初めて100マイルを走るなら、できるだけサポートはついてもらった方が良い旅ができると思う。

【レース編】
〇Sこどもの国(15:00)~W粟倉(16:33)~A1富士宮(17:37) 22km
スタートは曇り。走ると少し蒸し暑い。下り基調の林道、周りのペースにとらわれないように時計を見ながら進むが、やっぱりつられて少し速め。その後ロードを経て送電線の下の細かなアップダウンのトレイルを下って富士宮。富士宮のエイドでは焼きそばを楽しみにしていたが、先にスタートしたSTYの人たちに大半を取られてしまい早々に売り切れでがっかり。次のエイドの麓までの間に天子山塊があるため、気合をいれる。休憩11分。

〇A1富士宮(17:48)~A2麓(0:03) 28km/50km
登山口の林道は前々日の雨でドロドロだったが、登山道自体は特に問題なし。いよいよ前半の山場の天子山塊。標高差800mは丹沢の直登で慣れているはずだが、すでに20km以上走った後だと予想以上にしんどく感じるが、ヘッドライトに照らされる坂を淡々と登る。途中、胃をやられたラン友に会うが「必ず復活するから少し休んで」と言い残し先に進む。STYの選手で低体温で動けない人が何人か。その後もA2麓エイドまで数多く見かけるようになるが、エントリーに必要なポイント数の違いが山岳対応力の差になると感じた。途中小雨が降ったようだが、森の中にいたため、影響なし。天子ヶ岳、長者ヶ岳と経て、熊森山の下りが前々日の雨でスリッピーになっており、若干渋滞して時間を取る。ザックの肩の部分が擦れて痛くなってきたので、キネシオを準備してもらえるようにサポートにSMS。A2でサポーターと合流しほっと一安心。夜は冷え込みが激しく止まるとたちまち汗冷えるほど。差し入れのおにぎりと温かいお味噌汁がありがたい。てか、おにぎり作れることにビックリ(笑)脚の甲とアキレス腱が痛みだす。肩にキネシオを貼ってもらう。休憩33分。

〇A2麓(0:36)~A3本栖湖(3:59) 15km/65km
急登の端足峠を経て竜ケ岳に。小雨も止み雲間も広がり、月明かりの中に浮かび上がる富士山のシルエットのあまりの美しさに励まされる。ツーンとした空気の冷たさはあるが、寒くはない。本栖湖に下るとSTYのリタイアの選手たちでごった返していた。靴の紐を少しゆるめたら脚の甲の痛みが引く。温かいエイド内は去りがたいが、小さな湯葉丼をいただいて思い切って出る。休憩17分。

〇A3本栖湖(4:17)~A4精進湖民宿村(7:07) 12km/77km
鳥帽子山などをはじめ地味なアップダウンが続くが、朝焼けの富士山の清々しい姿に大いに励まされる。パノラマ台から望んだ雄姿は忘れられないし、これを見られただけでもこのレースを走る価値ありと思った。ちょうどNHKの取材撮影に応じたので、放送されるかもしれない(^.^)~なんてテンション高めで精進湖へ。手前まで迎えに来てくれたサポートと少し並走しながらA4へ。一晩越えて私の元気そうな姿に安心しているのが分かる。昨夜は2時間くらいしか寝てないらしい。ボラをしていたやきちゃんとしばしおしゃべり。彼女の明るさに元気をもらう。踵が少し痛むが理由が分かっているし心配かけるのでもう口に出すのは止めた。休憩33分。

〇A4精進湖民宿村(7:40)~A5勝山(11:13) 17km/94km
途中鳴沢氷穴までは国道沿いのロード主体だが、だらだら長い登りが続く。陽射しも暑くなり始めているので、ロードだが無理せず歩きを交えながら進む。紅葉台ではモミジの新緑が美しく、終始富士山が良く見える。ここではサブ3をめざす国際女子ランナーとしばしおしゃべり。足和田山では、サプライズ応援で父さんに出逢い、元気をもらう。
勝山ではSTYを終えたモリちゃんやなみちゃんが応援に駆けつけてくれたが、タイミング悪く少し疲れたので10分で起こしてとサポートに伝えて横になって休む。眠いわけではないので、目を閉じて横になるだけで、神経が休まってリフレッシュできた。次にサポートと会うのはきららで日没時になるので、それまで少しでもゆっくり休んで欲しいと願うばかり。休憩39分。

〇A5勝山(11:52)~A6忍野(15:43) 19km/113km
陽射しが厳しく暑い~!街中のロード主体だがほとんど走る気がしない~。歩いたり走ったり歩いたり、ここが一番つまらなかったな~(笑)。途中コンビニでガリガリ君休憩をはさんでいるランナーもいたが、なんだか自分の中ではルール違反なような気がして、誘導ボラが地元の方主体だったので、元気よく挨拶しながら進む。おじちゃんやおばちゃんが明るく返してくれてありがたい。後半はロードとトレイルのミックス。行程表ではたいしたことない高低差の名もなきピークの連続が、覚悟していなかった分だけジワジワと身体や脚やメンタルに疲労を溜めていく。香港の男性ランナーと海外のレース事情のおしゃべりしたりして気晴らししながら忍野に到着。
忍野のエイドに入る際に装備品のチェックがあった。ライト1個、レイン、携帯電話の充電残20%以上、の3点。ここから後半の山パートで夜に入っていくため。途中で必携品を預けてしまい、ここでリタイアとなった人もいた模様。ここから再び夜の山パート。気合入れる。休憩24分。

〇A6忍野(16:08)~A7山中湖きらら(19:38) 15km/128km
しばらく川沿いのあぜ道。ここでは私のトレイル初レースのスリピでご一緒した同世代女子ランナーとしばしおしゃべりしながら太平山、鍋割山へ。太平山の山頂から富士山とその向こうに沈む夕日を望む。陽が落ちて気温が下がったたせいかはたまた景色がよいせいか、ロードより山岳パートの方が元気だ(笑)石割山は一昨年試走したコースの逆。下山してロードを少し行くときららに到着。
きららでは夜に備えて着替えと軽い仮眠を予定していたが、あまりにも寒すぎる~!暖房のきいたトイレでミッドキャプリーンに着替え、仮眠は15分だけ温かいテントで横になる。眠くはないので短い時間でも横になるだけでリフレッシュできた。待ってくれている間、気にしなくていいと言ってくれたが、外はとにかく寒くて本当に申し訳ない!ここではボラのよちこと千葉さんに会い元気もらう。手袋を指を全部覆うものに替えシェルのズボンを穿いて寒さに備え、いざラスボスへ!と思ったら、これから向かう山伏峠で熊目撃の報、熊鈴や声を出しながら行くようにとのお達し。熊鈴は必携ではなかったので持っておらず、次々と出ていく選手に紛れて山に向かう。サポートは車中泊とのことでこの寒さの中申し訳ないと思いつつ頭を切り替える。休憩1時間10分。

〇A7山中湖きらら(20:49)~A8二十曲峠(1:33) 13km/141km
山伏峠はこの逆のルートが道志村レースのコースだが、思わず弱音を吐きたくなるほどの厳しさだった。二度目の石割山までの登りも果てしない。。。そんな中、元気をもらえたのが、誘導ボラの方たちの掛け声だった。熊の目撃情報もあって(きららで聞いたのとはまた別に小熊の目撃もあったらしい)、ガンガン音を鳴らし大声出したりしているのが、かえってリズム感のある音楽のように聞こえる。「こんばんはー!ありがとうございます!」と大きな声で挨拶すると、「やあ元気な声だ。それなら大丈夫ですね!このあとまた登りあるのでファイト!」などと熱い激励を笑顔で返してくれる。夜中冷え込む山中で、本当にありがたかった。石割山を越えると厳しい寒さが少し緩み、二十曲峠へ。
ここのエイドでは、あの石川弘樹さんがサポートにはいっていてフルーツを切っていらした。真夜中に見てもやっぱり爽やかでカッコいい~♡彼が切ったバナナをいただいて思わずにこにこ(笑)

〇A8二十曲峠(1:33)~A9富士吉田(5:56) 14km/155km
さて、ラスボス杓子山へ。これでもかと続く手づかみでよじ登る石場の急登、どこまで続くかと心折れそうになる連続するアップダウン。。。真夜中の山中、一人きりで動く時間が多くなるが、補給もうまいタイミングで摂ることができたこともあり、集中が途切れることはなかった。頭の中ではなぜか星野源の曲がぐるぐると回っていて、気持ちは元気。いよいよ杓子山の頂に向かうヘッドライトの連なりが前方に見えると、自分がその頂に到着したのは意外にあっけないほどだった。ふと来し方を振り返ると、自分の後に続くヘッドライトの連なりが後方の山々に点々と。。。慎重に下る途中で夜明けを迎える。ヒンヤリした空気の林道を下ったのち、早朝の住宅街では住民の方が朝早くから自宅前で応援してくれる。私もうれしくなって「おはようございまーす!」と応える。最終エイドまでもうすぐ。エイドの少し手前で迎えてくれるサポートの姿が見えてますますうれしくなる。ボラのおーじとSTYのボラをしていたあんちゃんに元気をもらう。また暑くなるのでTシャツに着替える。富士吉田名物のうどんが冷めていて残念だったが、ラスボスをやっつけてホッとしてしまい、ちょっと長めの休憩。ゴールでの再会を約束してエイドを出る。休憩46分。

A9富士吉田(6:43)~F大池公園(9:49:44) 13km/168km
霜山の登りは送電線3本分。単調なつづら折りの林道の登りと分かっているので、たいして苦でもないが背中を照り付ける陽射しが厳しい。下りはここで急いで捻挫してもつまらないし、思っているより自分は疲れているかもしれないので、より慎重に。河口湖畔に出てぐるっと半周するビクトリーロードは、これまでの道程を思い出し余韻に浸りながらゆっくりと歩いたり走ったり。。。てゆーか、A9出るときに告げたゴール予定時間よりかなり早すぎ(霜山の登りが順調すぎた模様)なのでゆっくりと。もう抜かされまくりだけど気にしない~(笑)河口湖にかかる大橋から見る富士山の堂々とした雄姿。ゴール手前でtravelの仲間たちが出迎えてくれた。ビリちゃんが「前の2人抜かしちゃえー!」と煽るので、ついラストスパートでゴールテープを切るはめに。。。鏑木さんとも六花さんとも、ハイタッチしかできず。。。なんとも余韻のカケラもない私史上歴史的ゴール。。。のはずが。。。(笑)

歴史的悪天候による短縮・中止から1年半の時を経て、みんな待ってたUTMF/STY。この時はSTYに参戦し無情の中止を味わい、「そのレースのメインに出ないとダメなんだ」と思い知らされた(あ、この時もサポートに中村さんがついてくれて、嵐の中の対応にとても救われたのだった)今年は1年半ぶりでお祭り感もひとしお、天候にも恵まれ、朝・昼・夜と移り変わる美しい富士山の姿にずっと励まされた。トレイルはきちんと整備され、不安や危険を感じることなく山に入ることができた。
長い旅の中で、走れるとき、登れるとき、下れるとき、はそれぞれ違うタイミングで訪れた。その時の自分の状況に合わせたトレイルが都合よくやってくるわけではない。平旦のロードでも走れない時は無理せず早歩きでやり過ごしてやがて来る登りはしっかり登る。そのときできるパートで頑張る!で乗り切れた(本当ならできるだけ歩かずゆるゆるでも走り続けたいところ。下りも抑えすぎた。これ今後の課題)
ジェルはとても有効。口に入れて10分くらいでパワーが増すのが実感できる。登り少し手前から補給、長い登りは途中でも補給すると効率的。今回補給は上手くできた。今まで無頓着すぎた(笑)
エイドの滞在時間は、もう少しタイトにできたはず。これも課題。

運営スタッフ、ボランティアの方々に感謝。現地やLivetrailやFBで応援してくださった方に感謝。そして私のたくさんのワガママにイヤな顔ひとつせず3日間ずっと気の行き届いたサポートに徹してくれた中村さん。本当にありがとう!おかげさまで楽しい100マイルの旅を満喫できました。

プレッシャーから解放された今は、次の冒険を考えるのが楽しみ(^.^)少しレストしてもっと走れる身体づくりをして。。。次の100マイルにチャレンジするなら、信越五岳を走りたいな!やっぱり自分の足で巡る「旅」はいい♪(^.^)

コメント