今年最後のトレイルレースになる陣馬山トレイル、距離が20数キロ、制限時間も4時間と短く、昨年のトップのタイムが1時間39分とかなりのスピード。コースはそれほどきつくないただろうと、やや気楽な気持ちで、「3時間切りを狙う」と妻に宣言して臨みましたが、・・・

９時スタートなのに到着したのが８時４５分、とりあえずやっつけで着替えてスタート地点へ。ゴルフ場のクラブハウス前には1,400人余りが集まっており、スタート地点からランナーが扇形に広がって、スタート地点を通過するまでにだいぶかかりそうな感じでした。ただトレイルのいいところは、私なんかの場合、タイムを気にせず、とにかく完走を目指すことだけなので、後ろからのスタートになろうが、少々渋滞しようが、全然気になりません。

１～２分でスタート地点はとおり過ぎ、そこからはひたすら登りが続きます。初めてのコースなのでペース配分が分かりませんでしたが、スタート直後の登りから歩き始めていた人も。「ちょっと早いのでは」と思いましたが、「もしかしたらこれが完走のこつ？」といぶかりつつ、走り続けました。徐々に坂がきつくなってきて、ところどころ歩いてはまた走ってを繰り返しつつ、いよいよトレイル（山道）へ。

よく整備された道で、道志村や北丹沢耐久あるいは上野原のようなロープが必要な悪路もなく、少しだけ下っては登るを繰り返しましたが、元気なうちでしたのであまりきつさも感じず、奈良本林道分岐は知らないうちに過ぎ、復路との合流を過ぎると、一気に上りになります。

明王峠の山小屋が開いていて、余裕があったらビールでも飲めるのになんて不謹慎なことを考えつつ、峠の茶屋を過ぎました。「陣馬山頂まで後2キロです。」という声を後にして、登山道をどんどん詰めていくと、斜度がだんだんきつくなってきます。きれいに丸太で階段が作られていましたが、逆に段の高さが登りをきつくしているといった感じです。

木立が少なくなって、空がだんだん開けてきて頂上が近いかなと思っていると、Forerunnerが７キロのラップを刻むと同時に７キロの標識が現れて、突然陣馬山頂に到着。天を仰ぐ馬のモニュメントの脇を過ぎて、下りに向かいます。遠くに富士山がぼんやりと姿を見せていました。余裕もないのに携帯電話のカメラで撮影。

陣馬山頂からの下りは急坂で、太ももがかなりダメージを受けます。それでも道はよく整備されているので駆け下りました。それでもなかなかつらくなってきて、木の根っこに足をとられないように気をつけなくては思っていると、転んだらしく口の周りを血で染めたランナーが、係員の方に向かうのとすれ違いました。下りはかなりスピードが出ているので、転んだらそうならざるを得ず、リタイアもやむなし、自分も気をつけねばと言い聞かせて足元を再確認しながら少々腰が引けた走りになりました。

長い下りは畑や家が見えて、舗装路に入るとまもなく終わり、給水所で給水をとって再び登りになります。Googleの地図で調べたイメージでは、それほど急坂ではないので、ゆっくりでも走れるかなと思っていたのですが、どうしてどうして。上野原トレイルレースのとき舗装路が暑くて走れなかったので、今回は走れるだけ走ろうと思っていたのですが、ちょっと登りが急になってくると、疲労した太ももの筋肉が悲鳴を上げます。つりそうな感じが襲ってきて、つっては元も子もないので、少し急になると歩いて太ももを休ませ、なだらかになるとまた走るを繰り返しました。今回もパワーバーとパワージェルを用意して行き、空腹を感じたところで歩きになると食べました。ハンガーノックの恐怖はトラウマのようになっています。

15キロ付近まで来ると、周りのランナーも同じくらいのペースの人が多いのか、走っているときに抜いた人が、歩いているときは抜き返されます。それを繰り返し繰り返し、紅葉した林道を進んでいきました。いつも思うことことですが、林道は終わるかなと思っても、どこまでも続いています。カーブの先に登山道への入り口はなく、同じように道が続いて、ランナーが黙々と歩いたり走ったりしているばかりです。

どこまで続くんだーとおもっていると、突然、終点が現れました。給水所で500ml水をいただいて山道に入ります。時計を見ると2：45が経過、もう3時間切りは無理なようです。まだ5キロ以上あります。あきらめました。ここからは下りですと言われ、うれしくなって駆け下りましたが、なかなか足がついていきません。かなり疲労していたようです。奈良本林道分岐が現れ、係員の方が「こちらでーす。」と登りには気づかなかった道を指し示しました。そこからは更に急になって一気に下り。舗装路が現れると、残りは2キロを切っています。早くゴールしたい一心で、下りも手伝って猛ダッシュ。

ゴールタイムは3：13でした。ゴール後のスイトンがおいしくて2杯もいただいてしまいました。ご馳走様でした。