episode 1 大型ロケット発射場

大型ロケット発射場は、H-Ⅱロケット以降の大型のロケットの発射場として使用されている。

第1射点、第2射点という2つの射点(発射台)があり、第2射点の方は、今後ロケットが更に大型化されても対応できるように作られているそうだ(左写真)。
射点のほかには、ロケット組立棟(右写真)や発射管制棟がある。発射管制棟はサーカス小屋の形をしている。実は、サーカス小屋というのはカモフラージュで、地下12mに秘密の司令室があり、そこで、次に襲う幼稚園バスに関する議論が日夜交わされているのだ。イー!
というのはもちろん嘘。正解は下のビデオをご覧頂きたい。

射点大型ロケット組立棟

episode 2 飛べなかったロケット

大崎第一事務所というところに、H-Ⅱロケットの実物が展示されている。せっかく作ったのに打ち上げられなかった7号機だ。7号機より前に打ち上げられた8号機が失敗したために待ったがかかってしまったのだ。かわいそうに。私はJAXAとも三菱重工ともまったく関係ないが、ここでは少し弁護しようと思う。
「税金を使って打ち上げるからには、100発100中でなければならない」という国民感情があると思う。私も少なからずそう思う。しかし、現実的にはそれは酷というものだ。「100%成功」はあり得ない。例えば、信頼性を上げる簡単な手法に二重系というやり方がある。同じ部品を2つ用意しておいて、片方が壊れても、もう片方で代替できるようにしておくやり方だ。こうすれば、コストは2倍かかるが、信頼性はグッと上がる。コストを3倍かけて三重系にすれば、更に信頼性は上がる。しかし、それでも100%にはならないのだ。使える予算は限られているし、仮に無限にお金をつぎ込んだとしても信頼性を100%にすることはできないのだ。もちろん100%にかなり近づけることはできる。だが、残りわずかな確率で発生する不幸に対しては、ただただ祈るしかない。(これは私が言っているのではない。展示されているH-Ⅱロケットが静かに訴えかけているのだ。なんと気の弱い私、、、)
さて、皆さんは、ロケットの頭の形が少しずつ違うのをご存じだろうか。「今回はジャンボ◎崎のように後ろだけ少し長くしてくれ」という感じに、設計者の好みや時代の流行り廃れに左右されているわけでは決して無い。正解は下のビデオをご覧頂きたい。

第2段ロケット第1段ロケット

episode 3 なぜ宇宙センターは種子島にあるのか?

宇宙科学館のある広場から、砂浜を2つに割るように、一本の道が延びている。その先にある階段のような建物が竹崎展望台だ(左上の写真)。種子島宇宙センターのアリーナ席ともいうべきところで、我々がよく目にするロケット打ち上げの中継の映像はここからのものである。階段状の屋上に上がってみて驚いた。壁や手すりに"NHK"や"…放送"といった放送局の名前がガムテープ文字で書かれている。「花見の場所取りか!」と突っ込みつつ、その先に目をやると、大型ロケット発射場の第1・第2射点と大型ロケット組立棟が小さいながらもはっきりと見える(右下の写真)。実際の発射の際には、ここは関係者以外立ち入り禁止となってしまうが、一度ここからナマで見てみたいものである。
竹崎展望台の周りには砂浜が広がり(右上の写真)、後ろには小さな漁港が隠れている(左下の写真)。「世界一美しい発射場」と言われるのも納得する美しい景観だ。しかし、景観が美しいからという理由でここに宇宙センターが作られたわけではもちろんない。それにはきちんとした理由があるのだ。答えは下のビデオをご覧頂きたい。

竹崎展望台へ砂浜でたそがれる隠れた漁港大型ロケット発射場を望む

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