手賀沼のほとりから

今後の予定

自己ベスト

本当に辛かった東京マラソン

《長文御免》

 お天気の神様は東京マラソンが嫌いらしい。冷たい雨の降りしきる中、スタートを待つのは辛い。

 今年はDブロックだったため、幸い都庁ビルの軒下で雨をしのぐことができ、寒さもブロック内で待つのに比べかなりましだった。

 スタートロスはおよそ4分程度だった。走り出してしばらくしても、体が一向に温まらない。それどころか、ロングタイツに雨が染みてきて、脚が寒さでガチガチになって思うように動かない。シューズもすぐに水が浸入してきて、靴の中もぐちゃぐちゃになってしまた。普段は「ピッ」と聞こえるGarminのラップ音も、今日はほとんど聞こえない。ビニルカッパの袖に隠れ、表示も見難く、ペースがつかみにくい。

 抑え目に入る予定が、寒さと下り坂の影響で、去年同様オーバーペースになってしまった。3キロ過ぎても5キロ過ぎても体が温まる気配はなく、むしろ脚の方は筋肉が冷たく硬くなり、膝や足首に痛みまで出てきてしまった。そのうち、ビニルカッパのフードも外れ、頭もずぶぬれ状態になってきた。

 日比谷公園あたりで「frun頑張れ!」と声援を受ける。とっちゃんだ。去年もこのあたりで声援をくれた。寒さで弱気になっていた気持ちにほんのりとだが炎が灯った。

 芝の増上寺が近づいた頃、雨も小止みになって来たので、邪魔になっていたビニルカッパを脱ぎエイドの方に渡した。ところが、品川で折り返してみると冷たい北風が吹いているではないか。ビニルカッパを捨ててしまったことを後悔するが、どうにもならない。品川を折り返したあたりで、frunのバニーさんが幟を持って応援してくれていた。手を上げて挨拶をしたが、元気のない顔をしていたことだろう。

 そうこうしている内に雨がみぞれ混じりになってきた。脚も痛くなり、日比谷交差点までがとても長く感じられた。去年はハイテンションで迎えた銀座四丁目の交差点も、今年は完走への不安さえ頭をよぎる弱気な気持ちで左折していった。このころから、先週末に痛めた左足親指の爪が痛み出してきた。冷たさで麻痺してくることもあるが、しばらく走るとまた痛みが感じられるという状態が繰り返し訪れる。

 浅草が遠い。今思い返してみると、折り返した時に雷門の提灯を見た記憶がない。この頃から、3時間40分はおろかPB更新も難しくなり、目標をサブ4で歩かずに完走することに切り替えた。つま先が痛み出すに連れ「救護」の文字が頭をかすめたが、一旦止まってしまったら寒さで体が固まってしまい走り出せなくなりそうなので、そのまま走り続けることにした。

 30キロを過ぎた辺りだろうか、frun応援隊の方が幟を持って応援してくれていたが、この頃からズルズルとペースが落ち出してしまった。日本橋を過ぎ、やがて銀座の街並みが見えてきたが、去年のようにペースは上がらない。そのまま、新大橋通りから佃大橋へと突入していくが、脚が重くギクシャクとしか動かない感じでアップダウンがとてもきつい。

 左足をかばっているせいか、右脹脛が悲鳴を上げ始めていた。攣ったら終わりだと思い、お尻の筋肉で走ることと腕振りを意識したが、肩もカチカチで腕が思うように振れない。

 豊洲を過ぎると残り5キロほどだが、ここからの5キロは本当に長く感じた。去年は「もう終わってしまうのか」という思いが頭をよぎるほどだったが、今年は、とにかく早くゴールして暖かい場所で脚を休めたいという思いで一杯だった。それだけを支えに残りを走りきったといっても過言ではないくらい必死だった。

 『残り4km』『残り3km』と看板が現れるたびに、「あと少しだ」と励ましながら痛む脚を交互に出して行った。ビッグサイトの駐車場が見え、長い直線を走りながら「あのコーナーを曲がればゴールが見える。」と思いながらも全くスパートが効かず、むしろペースは落ちていく感じだ。

 コーナーを曲がるとゴールゲートが見えたが遠い! それでも、なんとか最後は笑顔でと思いサングラスを後にかけ両手を上げてゴールした瞬間は、走りきったという達成感よりも、これでもう走らなくていいという安堵の気持ちの方が強かった。ゴールに一礼をしようと振り返る際にちょっとよろけてしまうほど脚が疲労していた。

 ゴール後計測チップを外すのだが、これがまた手足がいうことを利かずに、うまく外せない。(インシュロックで固定すれば、係りの方が切ってくれるのだが、最後まで靴を迷っていたので万一の時に付け替えられるように靴紐を通していた)

 その後は、完走メダルを受け取り、フィニッシャータオルをかけてもらい、荷物受け取り場所へ移動していったのだが、この頃になって空が明るくなり晴れてきた。

 着替え場所でhiro4さんに電話をかけていると、すぐ傍で「yotchangさんですか」と声をかけられ、みごとhiro4さんとお会いすることが出来たて、本当によかった。

 このような条件の中でも、自己ベストを更新された方はいらっしゃるので、天候のせいには出来ない。やはり、つくばが終わってから距離走が出来なかったことが影響しているのだと思う。

 しばらく養生してから、4月の「かすみがうら」に向けて、距離走とスピードトレーニングを交互に効果的に取り入れて練習していこうと思う。

 沿道で声援を送ってくださった大勢の方々、frun応援隊の皆様、ハリーさん、そしてボランティアの方々、皆様に心より感謝申し上げます。

コメント

日比谷公園付近
カッパが結構邪魔に感じていた。脱ぐか脱がぬか迷っていた。このあと脱いでしまったが、失敗だった。

日比谷公園付近
カッパが結構邪魔に感じていた。脱ぐか脱がぬか迷っていた。このあと脱いでしまったが、失敗だった。

中間地点付近

中間地点付近

水天宮付近
このころは、脚も痛く寒さで全身が固まったような感じだった

水天宮付近
このころは、脚も痛く寒さで全身が固まったような感じだった